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太股に鉄砲傷を負った雌狐

所在地静岡県菊川市(善勝寺)
年代伝承(口承)
登場本間春城、平川村の医師
出典日本伝説大系 第7巻

どんな伝承か

百年余り前、善勝寺の本堂の縁の下に親子の狐が住んでいた。そのころ平川村に本間春城という学徳の高い名医がいた。ある日、文金高島田に塗り下駄という美しい女が恥ずかしそうに玄関を訪れ、善勝寺ゆかりの者だが足に怪我をしたので診てほしいと告げる。裳をまくって見せた太股の付け根には、鉄砲玉が貫いた傷があった。医師は消毒して膏薬を塗り包帯を巻いてやる。翌日も女は同じ刻限に来て薬を乞うた。女が帰ったあと訪ねてきた檀家に尋ねても、そんな娘は知らないという。翌日、山門の陰から本堂を窺うと、縁の下から雌狐が数匹の子を連れて出てきた。その足には膏薬が白く光っていた。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第7巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第7巻』は、愛知・静岡・岐阜・長野の四県の伝説を集めた伝説資料集の一巻である。笠寺観音や日本武尊から天狗・山姥・八百比丘尼・夜叉ヶ池、石や池や塚の由来、白米城・一夜山まで九十七の項目を立て、口承を中心とする伝承を収める。各項目は伝承地を明記した例話を冒頭に置き、『日本伝説名彙』などの対応する題名を添えたうえで、〔類話〕〔参考〕〔文献〕を続けて近世以前の記録の原文まで示す。

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