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鉱毒地に現れた狐と貉

所在地栃木県佐野市村上町
年代明治31年頃
登場庭田源八、農民
出典幻視する近代空間 ―迷信・病気・座敷牢、あるいは歴史の記憶

どんな伝承か

足尾銅山が渡良瀬川に鉱毒を流し続けた頃、足利郡吾妻村の農民庭田源八は『鉱毒地鳥獣虫魚被害実記』に、大寒十二月の節になると貉や狐が多く人家の軒端や宅地を鳴きながら歩き回ったと記した。貉ははがいと鳴き、狐はこんこん、いんくくくと啼き、いずれもかまびすしかったという。鉱毒の被害で野に鼠も虫もおらず、魚も少ないためであろうと源八は見ている。以前は屋敷回りに埋めておいた人参などを掘り出して食う獣が多かったが、鉱毒の害の後は影さえ見えなくなったとも記している。

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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

幻視する近代空間 ―迷信・病気・座敷牢、あるいは歴史の記憶(川村邦光・現代(近代史研究))

民俗学者・川村邦光が、近代日本が在来の習俗や憑きもの信仰をいかに〈迷信〉として再編し、狐憑きを脳病・神経病・憑依妄想へ病理化したかを、具体的事件・事例に即して論じた近代史。

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