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縦糸の尽きぬ機を授かった女

所在地京都府船井郡京丹波町大簾
年代伝承(口承)
登場弘法大師
出典日本伝説大系 第8巻

どんな伝承か

大師さんが通りかかると芋掘りをしている者がいたので、その芋を一つくれと言うと、「この芋は石芋だから食べられん」と断られた。それきりその家では、何度作っても固い石芋しかできなくなった。また高い所で咽が乾いて休んでいると、下から水を汲んで上がって来た女が快く飲ませてくれたので、大師さんは錫杖で地面を突き、一年中水の出る穴をあけた。さらに機を織る女に手拭を一筋乞うと、なんぼでもと切ってくれたので、「お前の一代、この機は縦糸だけはやるから、横糸だけ用意して織れ」と言った。何年織っても縦糸は無くならなかったが、退屈した女が糸の巻いてある勝に爪を立てると、それきり糸は無くなったという。

原典より

〈高木―「石芋」「古市の井戸」 柳田―「石芋」「弘法水」〉大師さんが通りよらはったら、芋掘りを、じゃが芋の芋掘りをしとった。—— 日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))

『日本伝説大系 第8巻』は、黄地百合子・酒向伸行・田中久夫が滋賀・京都・兵庫の三府県を分担して執筆し、福田晃がまとめた伝説集である。丹波の湖を神々が切り開いた国造りの話、神同士の争い、英雄や長者の盛衰、蛇と人の話、魚・鳥・石・塚・祠堂の由来などを、各地の口承や記載資料から集める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、高木敏雄・柳田国男の対応する話名を付す。

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