頼光が銚子を贈ったドンガメ茶屋
どんな伝承か
埴生には米利という茶店があったという。大江山の酒呑童子を討ちに向かう源頼光の一行がここで休み、店にいた美しい娘が目にとまった。頼光は退治の帰路にも立ち寄り、しばらく滞在したうえで京へ発つ際、礼として金属の長柄の銚子と面桶を娘に贈った。銚子は長さ一尺五寸、重さ五百匁あり、菊の花と葉の文様が施されていた。面桶のほうは竹を編んで直径一尺、一升が入る大きさで、内側には皮が張られていたという。この由来から、茶店はドンガメ茶屋の名で呼ばれるようになった。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第8巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第8巻』は、黄地百合子・酒向伸行・田中久夫が滋賀・京都・兵庫の三府県を分担して執筆し、福田晃がまとめた伝説集である。丹波の湖を神々が切り開いた国造りの話、神同士の争い、英雄や長者の盛衰、蛇と人の話、魚・鳥・石・塚・祠堂の由来などを、各地の口承や記載資料から集める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、高木敏雄・柳田国男の対応する話名を付す。