大御堂跡のはねりの木と金の鶏
どんな伝承か
倉吉市住吉町の興和紡績倉吉工場の拡張敷地には、一昨年ごろまで古い「はねり」の木が立っていた。この一帯は千三百年ほど前に大御堂という大寺院があった場所で、木の下には大きな土台石があり、その下に黄金作りの鶏が埋まっていると伝えられた。運のよい者が夜中に通りかかると、コケコッコ福あげよう、と数回鳴く声が夜気を震わせ、これを聞けば二、三年のうちに大金持ちになるといわれた。ある欲深い者が人夫を使って土を掘らせたところ、原因の分からぬ地鳴りとともに大地震が起こり、人夫は肝をつぶし、土台石に手をかけた者は腹痛を起こして全員逃げ帰ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第11巻』は、山陰の鳥取・島根両県の伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。矮姫による穀物の伝来、大山の山くらべ、伯耆の白兎、雲州皿屋敷、七尋女房、牛鬼、隠岐の後鳥羽上皇などを、伝承地を明記した口承の例話で示し、類話と近世以降の文献を添える。「文化叙事伝説」「自然説明伝説」の部に分けて話ごとに番号を付し、凡例のとおり例話・類話・文献・参考の順に並べ、多くの話に高木・柳田による伝説名を添える。