元日の朝に鳴く金の鶏
どんな伝承か
美濃太田駅の北、加茂川のほとりには直径三十二メートル、高さ四、五メートルほどの大きな古墳・大塚があり、昔からこの塚の中に金の鶏がいて元日には鳴くと伝えられていた。明治のはじめに一部を掘ってみたが、刀などが出ただけで金の鶏は見つからなかったという。加茂野今泉の洞泉寺では、夕田城の戦いで寺が焼けた際に金の鶏を梵鐘に入れて埋めたといい、その金鶏は元日の朝に鳴いて出てきたと伝わる。伊深と神野の間の間関峠にあった大きな松の木でも金の鶏が鳴いたといい、三和の廿屋にある高野洞のお堂の跡でも、元日の朝には金の鶏が時を告げるといわれている。
原典より
むかしから、この塚の中にはキンノニワトリがいて、元日には鳴くと伝えられていた。—— 美濃加茂市史 民俗編――伝説(美濃加茂市(編)・美濃加茂市史) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
美濃加茂市史 民俗編――伝説(美濃加茂市(編)・美濃加茂市史)
『美濃加茂市史 民俗編――伝説』は、美濃加茂市の市史民俗編のうち、第一三章「俗信」と、第一四章「伝説 昔話 世間話」の総説および第二節「伝説」を収めたものである。天候・農事・人事にかかわることわざと俗信、民間療法、樹木の禁忌を挙げたうえで、伊深・蜂屋・太田・三和など市内各地区に伝わる三度栗、龍宮さまの淵、火塚、山男、かぶと淵などの伝説六十四話を記す。昔話・世間話の節は含まず、伝説の多くは題に伝承地区の名を添える。