白鳥となって去った杉谷長者の宝
どんな伝承か
むかし米沢村の杉谷に一人の長者が住んでいた。ある夜、近くの土地を掘れば金百貫と宝物が埋まっているという夢を見たが、すぐには掘らず、四、五日たってから掘り起こした。すると金も宝物もみな白鳥に姿を変えて飛び去ってしまった。この飛び去った宝は長者の全財産であったので、長者はにわかに貧しくなった。それゆえ長者のいた場所を、いまも乞食の家内と呼んでいるという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第11巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第11巻』は、山陰の鳥取・島根両県の伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。矮姫による穀物の伝来、大山の山くらべ、伯耆の白兎、雲州皿屋敷、七尋女房、牛鬼、隠岐の後鳥羽上皇などを、伝承地を明記した口承の例話で示し、類話と近世以降の文献を添える。「文化叙事伝説」「自然説明伝説」の部に分けて話ごとに番号を付し、凡例のとおり例話・類話・文献・参考の順に並べ、多くの話に高木・柳田による伝説名を添える。