箱浦の浦島太郎と紫雲出山にかかる紫雲
どんな伝承か
仁尾の家の浦に生まれた与作は浦島の三崎に移り住み、小浜のおしもを嫁に迎えて太郎をもうけた。太郎は明神の里、今の箱浦で漁をし、弁天の浜で子どもにいじめられていた亀を買い取って海へ放した。ある五月の日、浦崎の亀石で釣りをしていると大亀が現れ、その背に乗って竜宮へ行った。年月を忘れて遊んだのち故郷が恋しくなり、乙姫に送られて七つの宝を積んで帰ったが、知る人は誰もいなかった。三年後、粟島で死んだ大亀を葬ったのが亀戎神社で、村人が大空で竜宮踊を踊るのはその名残という。太郎は竹生島の父母の墓前で玉手箱を開いて白髪の老人となり、白煙は紫雲となって紫雲出山にたなびいた。山頂には竜王社が祀られている。
原典より
<高木―「長者ヶ池」 柳田―「炭焼藤太」仁尾の家の浦古家に生れた与作というものが、浦島の三崎に移り住んだ。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第12巻』所収の「文化叙事伝説」全139話(香川・徳島・愛媛・高知=四国)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。