次郎池の大鯰と栗飯の小僧
どんな伝承か
讃岐で二番目に大きいという田面の次郎池に、長さ二、三間もの大鯰が棲んでいた。あるとき阿波の鵜匠が福栄の鵜の太尾で栗飯の握り飯を食べていると、背の低い小僧が現れて讃岐へ行く用向きを尋ねた。鵜匠が次郎池の大鯰を鵜で捕りに行くのだと得意げに答えると、小僧は悲しげな顔をした。鵜匠が握り飯を分けてやると、小僧は「汀の方から鵜を入れるとよい」と言って消えた。鵜匠は堤の方から鵜を入れ、鯰は三日三晩追い回されて池を泥水に変え、ついに浮き上がった。腹を裂くと栗飯がいっぱい出てきて、あの小僧は池の主の精だったと知れた。その祟りか、大池は豪雨で一夜にして決壊したという。
原典より
讃岐で二番目に大きいといわれる田面次郎池に、長さ二、三間もある大きな鯰がすんでいた。—— 日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第12巻』所収の「文化叙事伝説」全139話(香川・徳島・愛媛・高知=四国)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。