長井対馬守と猿猴流傷薬の始まり
どんな伝承か
天文のころ、窪川の武田家の先祖である長井対馬守は、台所で馬と猿猴が争っているのを見つけ、猿猴の腕を切り落とした。猿猴は腕を返してくれれば、六月土用の丑の日に川の瀬でお礼をすると言うので、返してやった。約束の日、猿猴は腕をもとどおりに継いで現れ、川の瀬に生える金草を使った傷継ぎの秘伝を教えた。これが武田家に伝わる猿猴流傷薬の始まりだという。『窪川郷土史談』に載る。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。