灰縄と打たず太鼓で救われた両親
どんな伝承か
吾川郡伊野町の旧神谷村鹿敷に太兵衛という孝行息子がいた。昔からの習わしで、両親が六十歳になると仏が峠に捨てなければならないことになっていた。太兵衛はなんとか両親を助けたいと殿様に嘆願したところ、灰縄と打たず太鼓という難題を出された。いずれも両親の知恵で答えることができ、殿様は年寄りの知恵の値打ちを知って、それからは仏が峠に年寄りを捨てることを禁じたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第12巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第12巻』は、四国四県(香川・愛媛・徳島・高知)の伝説を話型ごとに集めた伝説集成の一巻である。神々の争いや大人の足跡、弘法大師の彫り残しや麦の種、英雄の誕生、長者、人柱、蛇聟、狼の報恩、化猫退治、首切れ馬、夜泣石、地蔵の霊験などを、町村誌や地方の伝説集、昭和五十三年度立命館大学説話文学研究会の採集調査稿から採る。百三十九話に通し番号を付け、各話に伝承地と出典、高木・柳田の分類名を添え、県別の〔類話〕と〔文献〕を続ける。