南湖の浜に流れ着いた寒川神社の御霊
どんな伝承か
寒川神社の浜降祭の縁起はこう伝える。五月五日の国府祭に一之宮の神輿が馬入の渡しを越えようとしたところ、五月雨で増水した流れに舟ごと押し出され、神輿は川口の彼方へ消えた。神主は遠島、水夫十八人は磔となった。社は相模灘一帯に触れを出して探させたが見つからず、六月十五日の朝、南湖中町の漁夫孫七が浜で錦の袋を拾う。中の古鏡こそ御霊であった。孫七は褒美を辞して還御を願い、以後この日を浜降祭と定めたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第5巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第5巻』は、叢書「日本伝説大系」の一巻をなす伝説資料集である。埼玉・千葉・東京・神奈川・山梨の伝説を扱い、二つの太陽、蹴裂明神、ダイダラボッチ、平将門、源頼朝、豪徳寺の招き猫、黒塚、山の背競べ、親捨てなどの話ごとに、口承を重んじて選んだ例話を掲げる。各項は例話に〔類話〕〔文献〕〔参考〕を添え、類話は伝承地ごとに梗概で示し、文献は近世以後の史料を原文で抄出し、柳田・高木の分類による話型名を併記する。