白鳥が餅に変じた豊国の起こり
どんな伝承か
景行天皇は周防の佐婆の津から家来の兎名手をこの地へ遣わした。やって来た兎名手は、南の空から数千羽の白鳥が飛来して空を覆うのを見た。舞い降りた地へ行ってみると、白鳥は餅になって地を覆っており、見ているうちに餅は芋草に変じ、冬なのに葉も花も栄えて国原を覆い尽くした。奏上を聞いた天皇は、天の瑞物、地の瑞草があるこの国は豊国と言えると述べ、兎名手に豊国の直の姓を賜ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第13巻(山中耕作・宮地武彦(執筆・整理)/荒木博之(解説)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第13巻――北九州(福岡・大分・佐賀・長崎)』は、福岡・大分を山中耕作、佐賀・長崎を宮地武彦が執筆・整理し、荒木博之が解説を担った伝説資料集の一巻である。姫島、うつぼ舟、百合若大臣、黒髪山の大蛇退治、平家谷、炭焼小五郎、河童、白米城など、北九州四県に伝わる伝説を題目ごとに収める。各題目は口承を重んじて選んだ例話を冒頭に据え、県別の類話を梗概にして伝承地と出典名を添え、近世以後の史料を文献として抜き出す編み方をとる。