鹿の足跡を笑われた大宮姫
どんな伝承か
開聞岳に棲む鹿が仙人の水を飲み、女の子を産んだ。その子はたいそうな美女に育ったので宮中へ召し出され、大宮姫と名を改めて天智天皇の中宮となった。ところがある冬の雪の日、宮女たちと雪遊びに興じていたところ、雪に残った足跡が鹿のものだと笑われてしまう。姫はこれを恥じて故郷の開聞の里へ帰り、後を追ってきた天皇とともに、長く開聞の離宮で暮らしたと伝えられている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第14巻』は、熊本・宮崎・鹿児島の三県に伝わる伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。阿蘇の大鯰や海幸山幸など神話に連なる話から、為朝・景清・人丸姫の伝承、長者や河童・狐の話、池の主や大蜘蛛退治、狩人と犬の話までを収める。各項目は口承を重んじた例話を冒頭に据え、梗概にした類話と、『肥後国誌』など近世以後の史料を原文で引く文献を続け、全体を文化叙事伝説と自然説明伝説の部に分ける。