子宝に負けた金銀と浦山坂
どんな伝承か
熊本県菊池市の米原長者は、植木町の駄の原長者に宝比べを申し出て、金銀財宝を並べ見物人のために黄金の板を敷いた。駄の原長者は息子二十四人、娘十五人を着飾らせて連れてきたところ、見物人は子供たちに見とれ、子のない米原長者は「千の蔵より子が宝」と嘆いて涙した。この故事から浦山坂という地名が生まれたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第14巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第14巻』は、熊本・宮崎・鹿児島の三県に伝わる伝説を集めた日本伝説大系の一巻である。阿蘇の大鯰や海幸山幸など神話に連なる話から、為朝・景清・人丸姫の伝承、長者や河童・狐の話、池の主や大蜘蛛退治、狩人と犬の話までを収める。各項目は口承を重んじた例話を冒頭に据え、梗概にした類話と、『肥後国誌』など近世以後の史料を原文で引く文献を続け、全体を文化叙事伝説と自然説明伝説の部に分ける。