口笛で船を招いた百合若
どんな伝承か
百合若は夜も昼も七日ずつ眠り、七日ずつ起きている人であった。無人島の浜に降りて眠っている間に、船乗りたちは百合若を捨てて行ってしまう。ひとり島に残された百合若のもとへ、飼っていた鳥が手紙を運んで来た。百合若は指を切り、その血で手紙を書いて鳥に括り付けて放つ。受け取った妻は酒を鳥に括って届けようとしたが、鳥は嵐に遭って死に、死骸だけが百合若のいる島の浜へ打ち上げられた。百合若は通りかかった船を口笛で招き、本土へ連れ帰ってもらう。折しも王様の前で百合若の弓による弓引き競べが行われており、百合若は自らの弓を引いて、自分を島に取り残した者たちを射殺したという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房)・現代(編纂)/伝承(口承))
『日本伝説大系 第15巻』所収の「文化叙事伝説」「自然説明伝説」全185話(奄美・沖縄=南西諸島)を、各話の伝承地(市町村〜字レベル)とともに収める。