鉄の身に杖をついて立つ根原神殿
どんな伝承か
竹富島ハザマ村の酋長を務めていた根原神殿は優れた頭脳と怪力を持つ神であった。与那国島に見つけた美しい女のもとへ夜ごと船を漕いで通い、夜明け前に竹富島へ戻ることを繰り返していた。これに気づいた与那国島の人々は、根原神殿に支配されることを恐れて彼を殺す計画を立て、その妾の女に殺害を依頼した。神殿の体は鉄でできていたが首だけは柔らかく、そこを刺されると神殿は鉄の杖をついて外へ飛び出し、村の道の真ん中で十日ほど立ち尽くしたのち、地響きを立てて倒れたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(山下欣一・遠藤庄治・福田晃(編集執筆)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第15巻』は、山下欣一・遠藤庄治・福田晃が奄美・沖縄本島・沖縄先島の編集執筆を分担し、福田晃が全体をまとめた伝説集である。島々の口承伝説を、市町村の民話集や大学の口承文芸研究会の採集稿、近世の文献から集め、天地や人類の始まり、島建ての神、キジムナー、蛇婿、津波、御嶽や墓の由来などを収める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、類話は地域別に配列する。