星崎の宮の池に映った七つの星
どんな伝承か
名古屋市南区の星崎には星崎の宮、すなわち星崎大明神社がある。祭神は天津雍星神とも香香背男神ともいい、秩父大宮の妙見宮に大星太神とともに祀られていた、怪しい光を放つ神である。『尾張名所図会』によると、将門調伏のために熱田神宮の神輿が振り出されたとき、たちまち七つの星が輝いて池の中に映ったので、その地を七面池と名づけ御手洗の池としたという。かつては海岸線がずっと近くまで来ていて、社の前を行く船は帆を下ろしたといい、船乗りや漁師に信仰された。境内に八曜紋の灯籠が寄進され、北斗七星を染めた幕も伝わる。近くの旧星崎庄本地村には神輿塚がある。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
将門伝説——民衆の心に生きる英雄(梶原正昭・矢代和夫・1966年(昭和41年))
『将門伝説——民衆の心に生きる英雄』は、梶原正昭と矢代和夫が一九六六年に著した平将門の伝説の研究書である。茨城県岩井町をはじめ各地の伝説地の踏査と、縁起・古記録・地誌をもとに、将門の怨霊と調伏、七人の影武者、子の良門や娘の如蔵尼、寵妃桔梗ら落人の行方、後裔を名告る家々、伝説の伝播と文芸化をたどる。序章と三篇からなり、巻末に青森県から鳥取県までの伝説分布と、寺社縁起など関係文献の抄録を附録として付す。