常盤御前の箸が育った飯能笹
どんな伝承か
常盤御前は平家の追及を逃れて旅を続け、顔振峠に至って吉野平で昼食をとった。そのとき箸に使った葭を土に挿し、源氏が再び栄えるならこの葭が笹竹になれと祈った。それが飯能市飯能の見返坂に生える飯能笹だと伝えられる。飯能笹は植物学者の牧野富太郎博士が初めてここで発見して名づけた特殊な笹で、天覧山から多峰主山へ向かう見返坂の雑木林の中に生え、昭和十六年三月に県の天然記念物に指定された。
原典より
常盤御前は平家追討の目を忍んで旅をつづけ顔振峠に来て吉野平で昼食をとった。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成――分類と解説 上』は、韮塚一三郎が埼玉県内の伝説を類型ごとに集めて編んだ伝説集の上巻である。片目の魚、化かす狐や狸、松・杉などの樹木、石や岩、ダイダラ坊と山、清水・渕・池・井戸にまつわる県内各地の伝説を、郷土誌や地誌、『埼玉史談』などの文献と、地元の資料提供者や話者の報告から採って収める。各話に所在地と出典を添え、話型ごとに〈解説〉を置いて全国の類例と信仰の背景を論じ、[参考]文献を挙げる。