四月十三日に山頂へ立てるボンテン
どんな伝承か
埼玉県入間郡の吾野村では、四月十三日に山の頂へ飾り物を立て、これをボンテンと呼んでいた。同じ郡の名栗村で正月の山ハジメに山の神を祭る際、沢の入口に立てるボンデンと同じようなもので、棒の先に巻いた藁へ小さな幣を挿した形のものとされる。著者は、ボンデン・ボンテンが祭りの目印とも対象とも飾りともとれる点でオハケの類と同じ系統にあり、祭りを意味した古語ホカイから変化した名の一つとみている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
霊魂の行方(最上孝敬・最上孝敬・葬送民俗・1984年(昭和59年))
『霊魂の行方』は、最上孝敬の葬送習俗に関する論説を集め、名著出版が昭和五十九年に刊行した論集である。死者の霊を家から送り出す霊送りやカラダビ、骨掛け、男女別墓制と半檀家、無縁仏、盆と施餓鬼、葬儀の水など、千葉・埼玉をはじめ各地で聞き取った習俗と既刊の報告をもとに論じる。「霊送りとその周辺」「葬送の諸問題」「葬祭の民俗」の三章に二十八篇を収め、巻末に初出一覧、大島建彦の解説、年譜、著作目録を付す。