聖天宮の相生松と連理の杉
どんな伝承か
埼玉県大里郡寄居町の新寄居、象ヶ鼻に鎮座する聖天宮の境内には、相生松や連理の杉があると『新編武蔵風土記稿』巻二三四は伝える。相生松とは一本の木が根もとから二股に分かれたものをいうが、隣り合って年齢の等しい似合いの松をもそう呼んだらしい。とりわけ寄居の連理の杉は、別々の木の枝が結び合って木目まで続いているもので、自然に生じることはまずない。人はこうした樹に瑞兆を認め、その繁り具合で神意を占い、やがて男女の情の象徴として縁結びの対象にしたのだという。
原典より
この境内に相生松、連理の杉等がある。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成――分類と解説 上』は、韮塚一三郎が埼玉県内の伝説を類型ごとに集めて編んだ伝説集の上巻である。片目の魚、化かす狐や狸、松・杉などの樹木、石や岩、ダイダラ坊と山、清水・渕・池・井戸にまつわる県内各地の伝説を、郷土誌や地誌、『埼玉史談』などの文献と、地元の資料提供者や話者の報告から採って収める。各話に所在地と出典を添え、話型ごとに〈解説〉を置いて全国の類例と信仰の背景を論じ、[参考]文献を挙げる。