馬丁の草鞋で涸れた三日月池
どんな伝承か
旧岡部町山川の三日月池は、小川へ通じる県道沿い、山川の南西で針ヶ谷との境にあったという。どんな日照りの年にも水が絶えず、清水がこんこんと湧いて、夏の旅人の渇きを癒すのに向いていたうえ、不思議にも水面に三日月を映していた。ところがある馬丁が馬の草鞋を浸してからは、急に涸れてしまったと『本郷村郷土史』は伝えている。
原典より
三日月池はもと、小川県道に沿って、山川の西南方針ヶ谷の境にあったという。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 上(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成――分類と解説 上』は、韮塚一三郎が埼玉県内の伝説を類型ごとに集めて編んだ伝説集の上巻である。片目の魚、化かす狐や狸、松・杉などの樹木、石や岩、ダイダラ坊と山、清水・渕・池・井戸にまつわる県内各地の伝説を、郷土誌や地誌、『埼玉史談』などの文献と、地元の資料提供者や話者の報告から採って収める。各話に所在地と出典を添え、話型ごとに〈解説〉を置いて全国の類例と信仰の背景を論じ、[参考]文献を挙げる。