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尾のない竜と無極禅師の竜退治

所在地埼玉県入間郡越生町大字龍ケ谷(龍穏寺)
登場無極禅師、雲崗和尚、悪竜を斬った龍穏寺の開山、風土記稿で悪竜を去らせた龍穏寺第五代
出典秩父・奥武蔵伝説たわむれ紀行

どんな伝承か

越生の龍ヶ谷にある龍穏寺には竜の伝説がいくつも残る。昔、寺地の湖にいた雄竜は名栗村有馬谷の雌竜に会いに空を飛んでいたが、途中の高山不動に待ち伏せされて尾を切られ、龍ヶ谷の竜には尾がないという。名栗の龍泉寺から手伝いに来ていた小僧が和尚の病を案じたときは、竜が背に乗せて一夜で名栗まで往復させたともいう。一方、龍ヶ淵に悪竜が棲んで村人を害したとき、開山の無極禅師が高山不動に二十一日祈り、授かった剣で竜を斬った。首は有馬谷、胴は堂山、尾は西和の尾先に流れ着き、それぞれ龍泉寺・最勝寺・龍台寺を建てたと伝わる。

原典より

雄竜はあやういところで身をかわしたが、尻尾を切りとられてほうほうの態で逃げ帰った。—— 秩父・奥武蔵伝説たわむれ紀行(神山弘・1984年(昭和59年)) より引用
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※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません

出典の文献について

秩父・奥武蔵伝説たわむれ紀行(神山弘・1984年(昭和59年))

『秩父・奥武蔵伝説たわむれ紀行』は、神山弘が一九八四年に著した伝説探訪の紀行である。越辺川の流域や高麗郷、富士山のある村々、竹寺、武甲山と三峰山、宝登山、釜伏峠と粥新田峠など埼玉県西部の山村を歩き、土地の古老からの聞き書きと『新編武蔵風土記稿』などの記録を交えて、竜や大蛇、天狗、幽霊、将門などの伝説を語る。土地ごとの章に小見出しを立てた随筆体で、著者の前著『ものがたり奥武蔵』で扱わなかった土地を主にとりあげる。

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