鍛冶屋が住みつかない村と西光院
どんな伝承か
宮代町百間東の村には、鍛冶屋が住みつかないといわれる。昔、どこから来たとも知れない不思議な大工が西光院に現れ、三日で御堂を建てると本尊に誓った。仕事は順調に進み、三日目の明け方には仕上がるところまで来たが、東の空が白みはじめたころ、村の鍛冶屋が打つ槌の音が響いてきた。大工は無念そうに工事を投げ出し、行方知れずになった。その後鍛冶屋の家には不幸が続き、村人は大工の祟りだと恐れ合った。以来この村に鍛冶屋は根づかなくなったといい、大工は左甚五郎だったとも伝わる。
原典より
その後鍛冶屋の家に不幸が続いたので、村人は大工さんのたたりだといって噂しあいおそれた。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。