明石の小石から建てた忠度の腕塚
どんな伝承か
深谷市萱場の清心寺には平忠度の墓があり、その右手に「腕塚」と刻んだ石標が立つ。昭和十二年四月に当時の住職飯塚俊海が建てたもので、住職によれば、兵庫県明石市右手塚町にある忠度の腕塚に供えられていた小石を分けてもらい、それにちなんで標を立てたのだという。つまりこの地に昔から腕塚と呼ばれるものがあったわけではなく、新しく設けられたものである。忠度の腕塚は明石にあるほか、駒ヶ林にもあったと伝えられている。
原典より
同師の話によると、明石市右手塚町の平忠度の腕塚に供えられていた小石を貰いうけ、これに因んで石標を建てたという。—— 埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
埼玉県伝説集成——分類と解説 中(韮塚一三郎・埼玉県伝説集成)
『埼玉県伝説集成——分類と解説 中』は、韮塚一三郎が編んだ埼玉県の伝説集の中巻で、上中下三巻のうち歴史伝説を収める。地名・屋敷・家系・聖地・城や堤や橋・神仏・神体と宝物・偉業・事件と紛争の九章に分け、県内各地の伝説を『新篇武蔵風土記稿』などの文献と土地の人からの聞き取りによって集めている。一話ごとに所在地と出典または資料提供者を記し、同じ類型の話をまとめた後に柳田国男らの説を引く〈解説〉を置く。