与那国の風葬と洗骨・平等の納骨堂
どんな伝承か
与那国島には他所で見られない多くの古風が残り、家々の門口には戸がなく、犬猫が入らぬよう竹を編んで立ててあった。葬祭の風習は特に昔の面影をとどめ、死人の山や岩蔭の風葬の有様は多くの旅人の紀行に書かれている。著者はその中でも、洗骨の後の遺骨を大きな納骨堂の中に、身分や血筋の差別なく同じように安置する一事を、最もこの島に発達した平等思想と認めた。村々には入会の土地が広く、誰でも開墾して自分の畠にできることも、貧富の階級が甚だしくなかった証拠と見た。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。