屋久島の鍛冶屋神と妊婦の呪い
どんな伝承か
屋久島では鍛冶屋神が村中から篤く信仰されていた。まだ嫁入り前の白歯の女が身ごもってしまった場合には、必ずこの神に酒を納めて鉄滓をいただき受け、それに唐竹と柳の葉を加えて煎じ、その女に飲ませる習わしがあったという。もし宿した子が魔性や蛇体のものであればたちまち下りてしまうが、人の子であれば何の障りもないと伝えられた。屋久島ではこの神を素篇神、あるいは金山大明神と呼んでいたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
定本柳田国男集 第1巻(柳田国男・定本柳田国男集)
『定本柳田国男集 第1巻』は、柳田国男の著作を集めた著作集の一巻である。椰子の実の漂着から日本人の渡来と稲作を海の道に求める論考と、海神宮考・みろくの船・根の國の話・寶貝のこと・稻の産屋などの諸篇、大正期の南島旅行に基づく『海南小記』、昭和二十六年八月の自序をもつ『島の人生』を収める。いずれも海と島を舞台に、ニライカナイや宝貝、漂着や島の復興をめぐる民俗と歴史を論じている。