吉野の花
どんな伝承か
君津郡久留里町の吉野、もとの吉野村というところは、往昔、大和国吉野の桜を移し植えた所であると「廻国雑記」に見え、春は桜の名で知られている。同書には、花ざかり思ひやられてみよしのの桜のもみぢこれもなごりと、の歌も載る。近くの真里には桜井というところがあり、これは往昔の桜見から名を取ったともいうが、実はそこに古くからある桜井という井のあたりに起こった名だという。吉野という里の名は、吉野の桜が移されたという記念を物語る名であるとされる。
原典より
吉野(旧吉野村)といふところは、往昔、一の玉が、大和国吉野の桜を、移し植えたところだといふことで(「廻国雑記」)春は桜の名で知られてゐる。—— 日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・明治~昭和初期(推定)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説叢書 上総の巻(藤沢衛彦・日本伝説叢書・明治~昭和初期(推定))
藤沢衛彦編『日本伝説叢書 上総の巻』を全218話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。