西行が引き返した長老坂の松
どんな伝承か
松島の長老坂を登り切ったあたり、道のかたわらに西行戻の松が立つ。西行は見仏上人を訪ねて雄島の草庵に二か月ほど滞在したが、その際にここで引き返したのだという。観蹟聞老志は別の由来を載せる。西行が阿漕の歌の意味をある翁に尋ねたところ、逆にそれも解せぬのかと訝られ、恥じてその場を退いた。以来この松を西行戻しと呼び、翁の正体は松島の明神であったと記している。
原典より
宮城縣松島長老坂を登り盡した復路の傍にある。—— 日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年)) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男(指導)・日本放送協会(編)/関敬吾・石原美子(編纂)・1949年(昭和24年))
『日本伝説名彙』は、柳田國男の指導のもとに日本放送協会が昭和二十四年に編んだ伝説の名彙である。全国の伝説を、その拠り所となる木・石・岩・橋・清水・淵・塚・坂・屋敷・地蔵などの地物の名ごとに集め、伝わる県郡村名を付して、郡誌・市町村誌や伝説集、民間伝承誌などの出典を括弧で示す。冒頭に柳田の「傳説のこと」を置き、木・石岩・水・塚・坂峠・祠堂の部に分けて、巻末に資料の解説と種類別索引を付す。