旅僧が授けた灰汁のない蕨
どんな伝承か
独り暮らしの老人の家に、ある夕方旅の僧が宿を求めた。汁の実がないと老人がこぼすと、僧は裏山から採ってきたものを見せ、これは灰汁を抜かなくても食べられると言った。翌朝、僧が発ったあとで裏山を見に行くと、柔らかい蕨が生えていた。その僧こそ弘法大師だったという。今もここには甘蕨が出るが、一度に一握り以上は誰にも採れないと伝える。
原典より
昔、独り住ひの老翁の所に、ある夕方旅僧を泊めた。—— 日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説名彙(柳田国男・日本放送協会・昭和25年刊)
柳田国男・日本放送協会編『日本伝説名彙』を全650話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。