姥捨伝説
どんな伝承か
今郡に「定命窪」という窪地がある。石出村との境にあたる村はずれで、いつの頃からか、年をとって仕事ができなくなるとそこへ捨てる習わしがあったと伝えられる。あるとき一人の男が息子とともに、老母をもっこに乗せて定命窪へ運び、たて穴を掘って底にむしろを敷き、わずかな食物を添えて老母を下ろし、石の蓋をして逃げるようにその場を離れた。帰り道、息子が天秤ともっこを持ち帰るのを見て男が叱ると、息子は「この次おどうを乗せてくるのに要ると思って」と答えた。男は言葉を失い、その夜、妻と息子を叩き起こして定命窪へ向かい、老母を連れ戻して大事に養った。以来この里から姥捨ての習わしは消え、定命窪の地名だけが残されたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
東庄町史 下巻(東庄町)
東庄町編『東庄町史 下巻』を全15話・伝説(1見出し=1話)単位で収録(緒言・序・名義・解説・和歌・注は除外/内包)。所在地(郡村区・社寺)を付して集成。