門前で出会い瓜畑に消えたキジムナー
どんな伝承か
新川の森田さんという屋敷でキジムナーを見た話。そこには大きなガジュマルがあった。話者がその家を訪ねた夜、門前で髪の赤い、アメリカ人形そっくりの四歳ぐらいの子にばったり会った。森田さんの長女だと思って名を呼んだが返事がない。夜にどこへ行くのかと追いかけたが、いくら走っても追いつけず、見ていると、うつむいたまま五十坪ほどの瓜畑に入り、滑り込んだと思ったとたんにふっと消えた。森田さんの家で娘さんはと聞くと寝ているという。わけを話すと奥さんは、それはキジムナーだよと言った。話者が十六歳の、戦争が終わって間もないころだという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。