鼠の数を当てて斬られた木田大屋
どんな伝承か
木田大屋は首里の王に仕え、頭が切れて霊感もあり、ユタのようなことをしたという。皇太子が病気になった時、王に相談されて方々の嶽を拝めばよいと言い、その通りにすると治った。王に可愛がられたので、ほかの家来たちが妬み、鼠を一匹入れた箱の中を見せずに何匹いるかと問うた。木田大屋が三匹と答えると、家来たちは嘘をついて人をだましていると王に訴え、王は怒って安謝の港の刑場で死刑にせよと命じた。刑場で箱を開けてみると、鼠は子を二匹生んで三匹になっていた。王は早馬で止めさせようとしたが間に合わず、木田大屋はすでに首を打たれていた。王は悲しみ、前川から首里の玉御殿へ移して一番真中に葬ったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第15巻(山下欣一・遠藤庄治・福田晃(編集執筆)・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第15巻』は、山下欣一・遠藤庄治・福田晃が奄美・沖縄本島・沖縄先島の編集執筆を分担し、福田晃が全体をまとめた伝説集である。島々の口承伝説を、市町村の民話集や大学の口承文芸研究会の採集稿、近世の文献から集め、天地や人類の始まり、島建ての神、キジムナー、蛇婿、津波、御嶽や墓の由来などを収める。第一部「文化叙事伝説」と第二部「自然説明伝説」に分け、各話を例話・類話・文献・参考の順に並べ、類話は地域別に配列する。