東深見稲荷で震えた老女
どんな伝承か
東京に住んでいた前園珠は、八十歳近い高齢ながら霊感があり、著者を慕って手紙をよこす人だった。著者が苦しんでいるときには、神様が伝えよと言われるのでと断って自動書記の文を送ってくれ、そこにはその時の悩みへの助言が必ず書かれていたという。夏の終わりのある日、急に会いたくなって訪ね、祈っていると東深見稲荷へ参れと感じたので二人で出かけた。本殿で祈りを終えて振り向くと、彼女は合掌したまま震え、頭の先から足まで電流が流れて止まらないと言った。帰りに蕎麦屋でビールを飲んでいると、今日はおまえが払うのだ、これは彼女への神の褒美だという声がした。しばらく会えないかもしれないと告げた一か月後、彼女は世を去った。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本の霊能者(前田博(編)・日本の霊能者)
『日本の霊能者』は、前田博が編んだ霊能者たちの寄稿集である。広瀬謙次郎の霊夢による予言、慈雲の神々の集会、佐藤妙栄の因縁解脱、松原照子の大予言、永田光麗の十言神呪、久遠あやの神々の警告、宮下文智の神霊治療、鶴田照子の鎮魂など、霊能者たちが自らの霊的体験や修行、予言を語った文章を収める。各寄稿の後に編者による人物紹介を付し、その間に編者の随想「霊能者のひとりごと」と、田口日勝へのインタヴューを挟む。