酒とうどんを約束したヤマワロの加勢
どんな伝承か
芦北郡佐敷町の話。佐敷のある山師が、伐り出した木があまりに重いので山の神に頼み、ヤマワロに手を貸してもらうと、翌日からの仕事はずいぶん楽に片づいた。頼むときに、うまくいけば酒一升とうどんを供えると約束していたので、山師はさっそくそれを持って山の神のもとへ行った。一升瓶の酒を垂らすと、一滴も地面に落ちないうちにヤマワロが飲み干した。ところが鍋に入れたまま供えたうどんのことで、山師は大けがをしてしまった。仲間の話では、ヤマワロは鉄を嫌うので鍋のうどんには手を出さず、ザルへ移すときに飛びついてきたのだという。頼みごとは最後まで気を抜くなと戒められている。
原典より
十四、河童に頼まれる 公害を知らせる 金物を知らせる十五、河童の声、歌、物音、足あとなど 河童の声や足あと 河童の声や足あとブナガヤ 河童の歌・口笛 河童の歌・口笛ケンモン 木を伐る音や鼓・大鼓の音など十六、ブナガヤ火・…—— 現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考) より引用地図で位置を見る
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。