倒れて見えて倒れない天狗の遊び仕事
どんな伝承か
岐阜県揖斐郡徳山村門入の話。天狗さんの遊び仕事といって、木を切る音をさせるという。遠くからは木が倒れるのが見えるが、側へ行ってみると倒れていない。若葉の五月頃に多く、晴天の朝でも晩でも起こるという。高橋文太郎「奥美濃の民俗」(「旅と伝説」昭和十五年八月号)に採られた一条で、本書は天狗の木伐りの話を集めた節にこれを収めている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 1 河童・天狗・神かくし(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 1 河童・天狗・神かくし』は、松谷みよ子が編んだ現代民話の資料集である。明治以降を目安に、日本民話の会の『民話の手帖』での呼びかけやアンケート、聞書で全国から寄せられた話と、郷土誌や雑誌『旅と伝説』などからの引用を、県別に話者・回答者・出典を添えて並べ、奄美・沖縄のケンムンやブナガヤにも及ぶ。目次では河童・天狗・神かくしの三章の頭にそれぞれ「考」を置き、巻末に河童の名称、天狗・神かくし年表、あとがきを掲げる。