蛇に嫁いだ娘と横山の機織りの岩
どんな伝承か
神戸町の長者が、ひどい旱で山も田も乾ききったとき、田にいた蛇に、雨を降らせてくれたら娘三人のうち好きな者を嫁にやると願をかけた。まもなく大雨が降り、後に蛇が侍に化けて娘を迎えに来る。三人は泣いて嫌がったが、中の娘が村のためだと言って嫁に行き、母の形見の紅白粉と機織り機、白い布を持って出た。それにちなむものが横山にあり、機織りの道具の形がついた岩は少しでも触れると人が死ぬといい、谷を流れる川の真ん中には布のような白い跡が残るという。蛇は本妻を邪魔に思い、跨いで行った度胸のある男に頼んで、赤い蝶に化けた本妻を射させたとも語られる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
日本伝説大系 第7巻(日本伝説大系編集委員会・日本伝説大系(みずうみ書房))
『日本伝説大系 第7巻』は、愛知・静岡・岐阜・長野の四県の伝説を集めた伝説資料集の一巻である。笠寺観音や日本武尊から天狗・山姥・八百比丘尼・夜叉ヶ池、石や池や塚の由来、白米城・一夜山まで九十七の項目を立て、口承を中心とする伝承を収める。各項目は伝承地を明記した例話を冒頭に置き、『日本伝説名彙』などの対応する題名を添えたうえで、〔類話〕〔参考〕〔文献〕を続けて近世以前の記録の原文まで示す。