危篤のいとこが晴れ着で訪れた夜
どんな伝承か
木更津市の女性の話。姉妹のように親しいいとこが東京の病院で意識のないまま六十日を過ごしていたが、ある晩、危篤だとの電話が入った。翌朝早く行くと返事をして床につくと、夜中の二時半ごろ、娘のように美しく化粧し、花柄の錦紗の着物を着たいとこが訪ねて来た。白い着物で来るのではなかったのかと問うと、あんなのは嫌いだと答えたという。翌朝代わりに行った息子は、持ち直したと知らせてきた。いとこの家で確かめさせると、嫁入りのときに持参した花柄の錦紗の着物がちゃんとあったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。