兄嫁危篤の夜に見た赤い人魂
どんな伝承か
木更津市の話者は、娘時代に生家で人魂を見たことがあるという。二十三年ごろ、兄嫁が危篤との電報が夜遅くに届き、気になって眠れないまま茶の間に寝ていたところ、ガラス戸の向こうの台所の方角の空に、鶏卵ほどの真っ赤な玉が浮かんでいるのが見えた。玉の両脇には青白い光も伴っていたという。話者はこれを人魂だと思い、もう駄目だろうと感じたが、案の定、翌日には兄嫁は亡くなっていたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂(松谷みよ子・現代民話考)
『現代民話考 4 夢の知らせ・火の玉・ぬけ出した魂』は、松谷みよ子が編んだ「現代民話考」の一冊である。日本民話の会の雑誌『民話の手帖』のアンケートへの回答や聞き書き、新聞・雑誌の記事から集めた、予知夢や死の知らせの夢、死者や神仏の夢告げ、死の前後に出る火の玉、生きている人から抜け出す魂の話を各地から収める。三章それぞれの冒頭に編者の論考「考」を置き、項目ごとに代表的な語りと、県別に並べた短い報告を話者・回答者・出典を添えて載せる。