むかし、ある人が若い頃、鰹の行商ばしとりました
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どんな伝承か
本渡市に伝わる話。むかし、ある人が若い頃、鰹の行商をしていた。朝早く、鰹を籠に入れて五和町御領の方へ出かけ、旧道を歩いていると、道の下の段々畑に大きな赤狸が寝込んでいた。驚かせてやろうと担い棒で草を打つと、狸は谷底まで転げ落ち、そこからじっと睨みつけていた。御領で商いを早々に切り上げて帰る途中、赤狸のいた段々畑の上まで来ると、ステッキを持った紳士が立ちふさがる。真剣勝負を挑まれ、佐伊津と御領の間のインゼンハナという岬まで攻め合ったが、押し返されて降参し、家まで連れて行ってもらった。家に戻っても「負けた、くやしい」と繰り返し暴れ、親戚が油揚げと餅を供えてようやく鎮まったという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 9 (木霊・蛇)(松谷みよ子・現代民話考・1980年代)
松谷みよ子『現代民話考 9 (木霊・蛇)』を小話単位で全406話収録。木霊(木の精・祟る木)や蛇にまつわる現代の民話・怪異譚を全国から採集し、地域・話者つきで収録する。各話に採集地(都道府県・市区町村)と話者・回答者を可能な範囲で付す(県判明402話・市区町村判明344話、戦地や場所不明の話を含む)。原典は読者からの投稿・採訪に基づく現代民話の集成。
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