白蛇が主と伝わるセンダの木
どんな伝承か
吉池信号交差点の南側には、かつて大きなセンダンが立っていた。センダとはセンダンのことで、土地の人はこの一帯を昔から「センダの木」と呼び、地名のように親しんできた。木の下には山の神がまつられ、幹にあいた洞には蛇が住むといい、なかでも白い蛇が神木の主だとも語られた。昭和四十年頃から木は勢いを失い、ついに枯れる運命をたどる。ちょうどその頃、野鳥が落とした榎の実が根元で芽を吹き、伸びた三本がまたたく間に育って、いまの樹形をつくりあげた。木そのものはセンダンから榎へ入れ替わってしまったわけだが、その場所を「センダの木」と呼ぶ習わしだけは、昔も今も変わっていない。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
豊明市史 資料編 5 (民俗編)(豊明市史)
『豊明市史 資料編 5 (民俗編)』は、豊明市の市史の資料編のうち、民俗編の第一節「伝説」を抜き出したものである。栄町・沓掛町・大久伝町・新田町などに残る塚・地蔵・観音・清水・古木にまつわる言い伝えを、所在地や大きさ、ご利益とともに記し、旧鎌倉街道沿いの十三塚と狐、二村山の身替わり地蔵、織田信長にちなむ鷺の森などを含む。じゅんてん観音から市場地蔵まで二十一の項目に小見出しを立てる。