二村山麓に地名だけ残る十王堂の跡
どんな伝承か
十王堂と呼ばれてきた土地の一部は、本郷の旧墓地に当たり、地番は「十王堂三四」である。町誌によれば、二村山の麓にはこの十王堂という地名が残っており、交通の安全を守る神である十王を、鎌倉のころに祀った堂の跡地なのだという。同じ由来をもつ旧跡は鎌倉街道沿いの各所にあり、ここもそのうちの一つに数えられる。もっとも、二村山を越えていた街道は、家康が東海道を整えて宿駅を置いたのちに廃れ、道も堂も名前だけを残す形になった。跡地はいま雑木林である。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
豊明市史 資料編 5 (民俗編)(豊明市史)
『豊明市史 資料編 5 (民俗編)』は、豊明市の市史の資料編のうち、民俗編の第一節「伝説」を抜き出したものである。栄町・沓掛町・大久伝町・新田町などに残る塚・地蔵・観音・清水・古木にまつわる言い伝えを、所在地や大きさ、ご利益とともに記し、旧鎌倉街道沿いの十三塚と狐、二村山の身替わり地蔵、織田信長にちなむ鷺の森などを含む。じゅんてん観音から市場地蔵まで二十一の項目に小見出しを立てる。