警察署の柱に掲げた交通安全のお札
どんな伝承か
秋田県の能代警察署では、交通係主任の背後の柱に市内の日吉神社の札が掲げられていた。毎日新聞秋田版の欄が伝えるところでは、その札は交通関係の業者が同社へ集まり、その年の無事故を祈る祈願祭を営んだ際に配られたものだという。霊験があったものか、祈願祭に列した運転手からはまだ一人も事故を出しておらず、取調べを受けるのはたいてい参列しなかった者ばかりだった。取調べのあとで札の由来を聞かされた運転手が、あらためて札に向かって詫びることもある。事故を起こした運転手や暴走する若者たちにとって、この札は警官以上に恐ろしい存在になっていると記されている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代の迷信(今野圓輔・現代教養文庫・1961年(昭和36年))
『現代の迷信』は、今野圓輔が昭和三十六年に著した、現代の俗信を一般の読者に向けて説いた読み物である。昭和三十年代の新聞・雑誌の報道や聞き書きを主な材料に、縁起かつぎ、前兆・占い・禁忌・まじない・願掛け、憑きもの落としの殺人や新興宗教の騒ぎまでを全国から拾い集めている。「現状」「過誤と真実」「その背景」「迷信論」の四部から成り、巻末に読者の問いに答える迷信身の上相談を付ける。