夜のバス停に立っていた老女
どんな伝承か
一九九八年のこと。能代市で、夜おそく田舎の道を車で帰っていた。対向車も来ず、何も見えない真っ暗な道である。そこにバス停が見え、おばあさんが一人立っていた。夜中にバスが来るはずはないとアレッと思ってふり返ったが、もう誰もいない。車のライトではっきり姿が見えたのに、一瞬にして消えてしまったという。同乗していた息子も夫も同じものを見た。気持ちが悪く、広い道路に出たときはほっとしたと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 偽汽車(松谷みよ子・現代民話考(ちくま文庫)・2003年(平成15年))
『現代民話考――偽汽車』は、松谷みよ子が編んだ『現代民話考』全十二巻の第三巻で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。鉄道開通のころ狸や狐が汽車に化けたという偽汽車の話、船幽霊や幽霊船など海の怪談、タクシーの幽霊など自動車や列車の怪談と笑い話を、全国の回答者の聞き書きや新聞・雑誌・書籍から集める。三章それぞれの冒頭に考を置き、話ごとに本文と分布を並べて地名・話者・出典を添える。