七年放置された一丈六尺の石地蔵
どんな伝承か
白鷹町荒砥の正念寺にある地蔵は、坐像が九尺、台座が七尺で、合わせて一丈六尺に達するところから丈六地蔵と呼ばれる。子育延命の地蔵として近隣の信仰を集め、近ごろは交通安全の守りとしても知られる。発願したのは当時の住職智栄和尚で、托鉢して浄財を集め、荒砥の貝生で採れる石を用いた。彫ったのは土地一番の名工とうたわれた菅原万五郎である。あまりに大きく運搬に難儀し、途中で七年ものあいだ放り置かれた末、享和年間にようやく現在地へ据えられたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊(置賜民俗学会ほか・置賜の庶民生活)
『置賜の庶民生活2(民間信仰)――俗信・ワカ・死霊』は、置賜地方の民間信仰を、奥村幸雄・武田正らが項目ごとに分担して書いた民俗誌である。人の一生や食物・病気の禁忌、天気占い・作占い・予兆とまじない、ワカ(巫女)、病を治す薬師・道祖神・地蔵、死霊と魂招び・死水の習俗を、古老からの聞き書きや薬の書付を交えて記す。「禁忌・卜占・予兆」「生活の中の神々」「死霊」などの部に分け、項の末尾に執筆者名を記す。