足柄の嶺で笙の秘曲を授けた義光
どんな伝承か
新羅三郎義光が笙を吹いた古跡は足柄の嶺にあり、今の聖天堂の建つ所がそれだという。聖天堂には空海の筆で自作と伝える「足柄山」の三字の額があったが、今は竹之下の宝鏡寺に保管されている。聖天堂はもとは笙天と称したのが、のちに聖天と誤られたのだろうともいう。後三年の役の際、義光は官を捨て、兄の軍に加わろうと都を出た。豊原時秋が足柄山まで送ってきたので、義光はその心を察し、笙で数曲を吹いて秘曲をことごとく授けたと伝えられる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
小山町史 第9巻 (民俗編)(小山町史)
『小山町史 第9巻(民俗編)』は、静岡県駿東郡小山町の町史の民俗編から、口頭伝承の章の伝説の節を抜き出したものである。石子詰にされた忍びの若者・用沢小僧の伝えを出典ごとに並べ、むらの名の由来、金太郎ゆかりの地と石、仇討如来や鬼鹿毛馬頭観音、村境の決め方、竹之下合戦にまつわる伝えなどを収める。富士山麓と足柄山のあいだの町に残る、地名と社寺・石に結びついた言い伝えが中心である。