雨戸に歌を残した預かりの奥方
どんな伝承か
下中山の小林家には、古い雨戸が一枚大切にしまわれている。そこには住み慣れた家を離れ、松代へ帰る雁の身を詠んだような歌が墨で書きつけられている。松代のある殿様の奥方が不義をとがめられて小林家へ預けられ、のちに許されて帰るとき、その喜びを雨戸にしたためたものだという。歌の松古里という語は、松代の松と待つとを掛けたものと伝わる。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
長野県史 民俗編 第4巻 3 (北信地方 ことばと伝承)(長野県史)
『長野県史 民俗編 第4巻(三)北信地方 ことばと伝承』は、長野県史の民俗編のうち北信地方の伝説の章を抜き出したものである。植物・石・水・塚・坂と峠・山・沢と道・城と屋敷・田と原・地蔵や観音・社寺・地名・禁忌の順に、条ごとに採集地を添えて短い伝えを並べる。戸隠の鬼女紅葉、黒姫と大沼池の大蛇、久米路橋の人柱、秋山郷の平家伝説など、善光寺平から奥信濃にかけての土地に結びついた話が多い。