善光寺の闇で手招きした釈迦
どんな伝承か
昭和二十何年ごろ、語り手の友人の姉が、二十代の初めに善光寺へ参詣した。本堂の中にある真っ暗な地下の通路を抜けるとき、闇に光が差しこみ、釈迦が手招きをしているのが見えたという。帰りに白装束を土産に買って帰り、家でその話をすると、家族は縁起が悪いと感じた。それから間もなく姉は病気になり、そのまま亡くなった。仏が導いたのであろうと語られている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。