宝蔵寺の本堂に響いた友の死の音
どんな伝承か
昭和十七年三月二十四日の夕方、水戸市谷田の宝蔵寺で住職が勤行をしていると、本堂でたいへん大きな物音がした。住職はとっさに、親しい友人の誰かが亡くなったのだと思った。やがて東京から知らせが届き、幼いころからの友が亡くなったことがわかった。後日、その友の遺骨を家族が寺へ納めに訪れた折に、和尚がこの出来事を話して聞かせたという。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話(松谷みよ子・民話・口承文芸・2003年(平成15年))
『現代民話考 ― 死の知らせ・あの世へ行った話』は、松谷みよ子が編んだ現代の民話の聞き書き集で、二〇〇三年一月付の文庫版まえがきを持つ筑摩書房の文庫版である。一九七八年に発刊された『民話の手帖』を通じて全国から寄せられた回答を中心に、臨死体験、死の知らせ、寺へ来る死者、生まれかわりの話を収める。「あの世へ行った話」「死の話」「生まれかわり」の三章の冒頭に編者の論考を置き、細目ごとに所在地・話者・出典を添えた類話を並べる。