犀川から善光寺へ上る龍燈
どんな伝承か
信濃の善光寺には龍燈があり、龍宮から灯明を捧げるのだと言い伝えられていた。毎年七月十四日から十五、六日にかけて、夜が更けると犀川から龍燈が上がり、西の山ぎわの木々を伝い伝いして、本堂の南側の破風に掛かるのだという。善光寺の不思議の一つに数えられていると遠山著聞集は伝えている。
※伝承地の場所は必ずしも正確ではありません
出典の文献について
炉辺叢書 筑紫野民譚集(及川儀右衛門・1923年(大正12年))
『炉辺叢書 筑紫野民譚集』は、及川儀右衛門が筑紫野で暮らした二年ほどの間に、土地の故老や下宿の老婆から聞いた話、教え子が書き送ってきた物語を文献とも照らしてまとめた民譚集である。筑後を中心に筑前・肥前・肥後・豊前・豊後の河童、怪火、長者の話、神事と歌舞、山と水の伝奇、狐狸や幽霊の怪異を六篇に分けて収め、多くの話に古記録を引いた〔註〕を添える。序の日付は大正十二年六月である。